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休日に人を訪ぬるも遇わず

2012.01.20

九日駆馳一日閑
尋君不遇又空還
怪来詩思清人骨
門対寒流雪満山

 

作者は七三七年ごろ生まれの韋応物(いおうぶつ)。題は「休日に人を訪ぬるも遇(あ)わず」。

 

■読みと解釈
九日駆馳一日閑
九日駆馳(くち)して一日閑(ひま)なり
[九日間走り回って一日ほど休みになり]

 

尋君不遇又空還
君を尋ぬるも遇わず又(ま)た空(むな)しく還(かえ)る
[君を尋ねて来たが会えずまたまた何もせず引き返すことになった]

 

怪来詩思清人骨
怪(あや)しみ来たる詩思の人骨を清くするを
[不可思議なことが起こるものだ この地の詩情は人の骨を清らかにするとは]

 

門対寒流雪満山
門は寒流(かんりゅう)に対(たい)し雪は山に満つ
[門は冷たい水の流れに向き合い雪は山いっぱいに積もっている]

 

 

■注目点
韋応物の世の役人は、九日間は走り回る忙しさ。十日目の一日は休日。その休日に君を尋ねたが会えなかった。その時の心境に注目。
折角の休日に君を尋ねたが会えない。君も役人で、この日は走り回っているからなのでしょうか。
そうではないようです。君が住んでいる門は冷たい水が流れる川の前。君が住んでいる山には雪がいっぱい。そこは人里ではない山奥。君は隠者です。
君が住んでいるこの地は、人の骨を清らかにする詩情をかきたてる。人の骨を清らかにする詩情。言い得て妙。

 

《PN・帰鳥》