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人日に帰るを思う

2011.01.14

入春纔七日
離家已二年
人帰落雁後
思発在花前

 

五四〇年生まれの薛道衡(せつどうこう)の「人日(じんじつ)に帰るを思う」。人日は一月七日。

 

■ 読みと解釈
入春纔七日
春に入りて纔(わず)かに七日
[新しい年に入ってようやく七日]

 

離家已二年
家を離れて已(すで)に二年
[わが家を離れてもう二年]

 

人帰落雁後
人の帰るは雁の後に落ちるも
[自分が(わが家に)帰るのは(北へ帰る)雁の後になったが]

 

思発在花前
思いの発するは花の前に在り
[(わが家に帰る)思いが起こったのは花の咲く前である]

 

 

■ 注目点
人日にわが家に帰ろうと思った作者の理由づけに注目。
一月七日をなぜ人日と言うのか。詳しくはわかりませんが、この日は天候を基に、人々の運勢を占ったことによる、という説があります。例えば、晴れなら幸せ、曇りなら災いがあるとか。
作者は二年も家を離れ、人日に帰ろうと思っています。天候ではなく、北へ帰る雁と春に咲く花によって、わが家に帰ることを占っているようです。
帰るのは雁より遅れ、思ったのは花より速い。その時が人日。そう言うのでしょう。
この詩は作者四十六歳の作。時に作者は天子の命により南方にいた。生地は北方。帰りたかったのでしょう。

 

《PN・帰鳥》