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京の正月七日、立春

2011.02.04

一二三四五六七
万木生芽是今日
遠天帰雁払雲飛
近水遊魚迸氷出

 

八三三年生まれの羅隠(らいん)の「京の正月七日、立春」。立春は春に入る日。

 

■読みと解釈
一二三四五六七
一二三四 五六七

[一二三四 五六七]

 

万木生芽是今日
万木(ばんぼく)の芽を生ずるは是(こ)れ今日
[すべての木が芽を出すのは今日この日]

 

遠天帰雁払雲飛
遠天に帰雁(きがん)は雲を払(はら)って飛び
[遠くの空で北へ帰る雁は雲を払いのけて飛んでゆき]

 

近水遊魚迸氷出
近水(きんすい)に遊魚は氷より迸(はし)りて出ず
[近くの水に泳ぐ魚は氷の中から勢いよく飛び出す]

 

 

■注目点
芽吹く木々。北へ帰る雁。氷から飛び出る魚。立春の風景描写に注目。
田舎ではなく、京で見た立春の風景です。
1句目は意表をつく表現。単純明快。これで正月七日です。

一つ、二つ、三つ、四つ、五つ、六つ、七つ。指を折って数えているのでしょうか。
木々が芽吹く。その日は今日正月七日。立春なのです。春の開始が立春。
北へ帰る雁。地面を飛び立ち、遥か彼方の大空へ。雲を払いのけて古里へ。
氷から飛び出る魚。冷たい氷を割って、所狭しと泳ぎ回る。
立春は気分浮き浮き。木や雁や魚だけではない。人々も活動開始。そんなことを想像させる詩です。

 

《PN・帰鳥》