山口県のフリーペーパー「地域情報新聞 ほっぷ」WEB版

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九日

2019.09.13

江辺楓落菊花黄

少長登高一望郷

九日陶家雖載酒

三年楚客已霑裳

 

唐の崔国輔(さいこくほ)の「九日(きゅうじつ)」。崔国輔の生没年等は不明。九日は九月九日。重陽の節句。

 

■読みと解釈

江辺楓落菊花黄

江の辺(ほとり)に楓(かえで)は落ち菊の花は黄なり

[長江の岸辺には楓の葉が散り落ち菊の花が咲き誇り]

 

少長登高一望郷

少長は高きに登りて一に郷(きょう)を望めり

[老いも若きも小高い丘に登りじっと古里を眺めている]

 

九日陶家雖載酒

九日の陶(とう)の家は酒を載(の)すと雖(いえど)も

[九月九日の陶淵明の家では(王弘〈おうこう〉が)酒を車に載せ持って来たが]

 

三年楚客已霑裳

三年も楚(そ)の客は已(すで)に裳を霑(うるお)せり

[三年も楚に居る左遷の身の我は(屈原〈くつげん〉同様)すでに涙で裳を濡らしている]

 

 

■注目点

言いたいことに注目。

一句目は楓が落ち今は菊。九月九日の節句。二句目の少長は家族の老いも若きも。三句目と四句目は昔の陶淵明と屈原の話。九日に陶淵明は酒を持って来てもらったが、我には持って来てくれる人がいない。左遷された今の我が身は、才能を妬まれ左遷された屈原に似ており、涙を流す。

九月九日。家族と離れ不遇な我が身を悔しがる作者崔国輔。

 

《PN・帰鳥》