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七月七日夜の少女の歌

2015.12.11

春離隔寒暑

明秋暫一会

両歎別日長

双情若飢渇

 

作者は不詳。題は「七月七日夜の少女の歌」。

 

■読みと解釈

春離隔寒暑

春に離れて寒暑(かんしょ)を隔て

[春の季節に別れて寒さ暑さから隔たり]

 

明秋暫一会

明秋暫(しばら)く一会(いっかい)す

[明くる年の秋に暫くちょっと会うのです]

 

両歎別日長

両(ふた)つながら歎(なげ)くは別るる日の長きを

[二つの星は別れの日が長いのを恨み悲しみ]

 

双情若飢渇

双(ふた)つの情は飢渇(きかつ)の若(ごと)し

[二つの星の心中は苦しく求め合っている]

 

■注目点

七月七日夜の少女の思いに注目。

七月七日は七夕。牽牛星と織女星が、年に一度、逢瀬を楽しむ夜。この日の事を、少女が詠んだのがこの歌。

二つの星は、春に別れ、明くる年の秋に再会する。その間、寒さと暑さから離れる。再開しても一会。一会とは一度会う、ちょっと会う。年に一度しか会えぬのに、その時間はちょっと。思い合いながら、思いが果たせぬ二つの星。辛く切ない二つの星です。

二つの星は恨み悲しむ。何を。別れ別れの日数が長いことを。二つの星の心中は、まるで腹が減り、喉が渇いているよう。食べ物、飲み物が欲しい。食べ物、飲み物。それは年に一度と言わず、二度も三度も。何度も何度も。二つの星は常に一緒にいたい。それは星だけではない。人間も。

 

《PN・帰鳥》